■従来，ビタミンK欠乏症予防のため，出生時と生後1週間，生後1か月の3回，ビタミンKシロップが投与されてきました．

■しかし，従来の方法ではビタミンK欠乏性出血症を完全に予防することができません．日本では3回の投与で新生児10万人あたり1.5人が発症し，主に筋注投与が行われる欧米では10万人あたり0.44人というデータがあります．これに対し，生後3か月まで毎週ビタミンKを投与した場合にはその発症は0人でした．多くの先進国ではビタミンKを生後3か月まで毎週投与するプログラムに変更されています．

■近隣の多くの産科施設では従来の3回投与が行われているものと思われます．当クリニックではビタミンK欠乏症根絶のため，生後0〜2か月の赤ちゃんにビタミンKを提供することにいたしました．

■ビタミンKを希望される方は産科退院後に当クリニックにおいて健診を受けて下さい．健診時に生後3か月までのビタミンKシロップをお渡しします．健診料を申し受けますが，ビタミンKシロップの処方料は健診料に含まれます．

■人工栄養が主体の赤ちゃんはビタミンK内服の必要はありません．